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SPUT'S DIARY

スプーの日記

<<スプーの日記とは?>>

世界は物質がすべてだと思う人は多いけど、本当はそうではない。直感を信じていれば、本当の自分にとって必要な何かが見えてくる。必要な何かとは、目に見える物質ではなく、心の奥という異次元にある、光のようなものだ。〜7月20日のスプーの日記より。作家・画家・イラストレーターの なかひら まい が描いた『スプーの日記』シリーズの世界。この物語では、奇妙な事件がたくさん起こりますが、魔法合戦もなければ、魔法学校も出てきません。それどころか魔法で何かを解決することもありません。見習い魔術師のスプーが 自分の心の中の闇と闘いながら歩んでいく様子を日記とイラストで綴った物語です。摩訶不思議なスプーの世界にをお楽しみください。

<<本の紹介>>

 

スプーと死者の森のおばあちゃん―スプーの日記

 

著・絵:なかひら まい
装幀:クラフト・エヴィング商會
発行:トランスビュー
価格:1600円+税

Amazonで購入:https://amzn.to/2W3IEIw
あらすじ:魔術の修行は、自分の心の奥への旅だ。わたしは魔術師になって、おばあちゃんを救い出しに行く。

スプーの日記2 暗闇のモンスター


著・絵:なかひら まい
装幀:クラフト・エヴィング商會
発行:トランスビュー
価格:1600円+税

Amazonで購入:https://amzn.to/2W0qpDS
あらすじ:どんなに危険な魔術でも使わなければいけないときがあるんだ!おばあちゃんとの約束でミラクル・キャベツが誕生し、町は救われたかに見えたのだが……。

 

スプーの日記3 暗闇のモンスター


著・絵:なかひら まい
装幀:クラフト・エヴィング商會
発行:トランスビュー
価格:1600円+税

Amazonで購入:https://amzn.to/2W2PUEC
あらすじ:故郷の小さな町から大都会へ逃げ出したスプー。しかしそこには人間の黒い想念が渦巻いていた。スプーは、精霊と共生する地下の人々との暮すうちにモンスターの正体を見極め、魔術師の役割を悟る。イラストと日記で綴る「スプーの日記」シリーズ完結編。

本に関するお問い合わせはこちらからお願いします。

<<作者からのメッセージ>>

『スプーと死者の森のおばあちゃん』の主人公スプーは、誰も知らない小さな国で、魔術師をめざして修行中だ。スプーは、体外離脱をして、死の世界へ出かけたり、森の中にいる精霊を見たりする。 死の世界では、死んだおばあちゃんに会って、話をしたりもする。そんなスプーの摩訶不思議な日常を、日記とイラストを交え、ブログで連載していたものを一冊にまとめたのがこの本だ。 現実の生活に振りまわされている現代人には、死の世界や精霊なんて、ファンタジーの産物と映るかもしれない。そういったものは、ファンタジーとして楽しむもので、現実ではない、という人もいる。しかし、実際に心に残るのは、情報よりもイメージだというのも、また事実だ。

たとえば、テレビをつけると、カフェや小綺麗なホテルや、アパレルの映像が、怒濤のように流れている。東京で暮らしていると、そういった場所になんとなく足を運ぶこともある。 ただ、足を運んだからといって、お店の名前や場所を正確に覚えているわけではない。しかし、お店の雰囲気や、人混みの喧噪の中を歩いた印象は残っている。お店の名前や場所などの細かい情報は意外と記憶に残らないが、イメージはより長く心にとどまることになる。情報よりもイメージの方が、人にとっては、現実的であるのだ。死の世界や精霊、妖怪、神々、怨霊なども、同じことだ。それらは不可視なものだが、心の中にはっきりとしたイメージを思い浮かべることができれば、それもまた、その人にとっては現実なのだ。

一昔前には、妖怪や妖精を見る人が当たり前にいたことを、ご存じの方も多いだろう。現代でも、怪異の体験談は数多く報告されている。 たとえば、よくある怪談に、手の幽霊がある。不気味に手だけが現れ、窓ガラスを叩いたりするのである。手の幽霊は、恨みや悲しみが手のイメージとなって、一人歩きしたように映る。心の中に浮かんだ幻覚のような気もする。もちろん、 幽霊は、心の奥に潜む恐怖の感情の具現化であるともいえる。それはそれで、間違いではない。しかし見る人にとっては、空想を超えて、現実化している。そして、そのイメージを心でとらえた瞬間に、その人にとって、それは現実のものとなる。中村雅彦氏の『呪いの研究』(トランスビュー)では、現代でも四国に実在する、シャーマン(拝み屋)の実態と、神仏に関わる人々の想いや苦悩が、心理学や民俗学などの視点から、詳細に描かれている。不思議なものたちと現実は、そうやって地続きで繋がっているのだ。 スプーの世界で描かれている魔術師とは、精霊や魔物や神々など、心の奥にある不可視のイメージを現実のものと捕らえ、格闘する人々のことである。彼らは、死んだ者と対話をしたり、タリズマン(護符や呪文で異世界と渡りあう。『スプーと死者の森のおばあちゃん』はファンタジーではあるが、単なる想像の産物ではない。主人公のスプーは、精霊たちや神々など不思議世界の住人を通して、自分自身と向かい合っているのである。 『スプーと死者の森のおばあちゃん』を通して、読者がもうひとつの現実を発見できれば面白いと思う。情報という表層のフィールドから踏み込んだ心の中の現実を、この物語を通して認識し、楽しんでもらえれば、作者としては本望だ。 (なかひら まい/作家)

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